帰国、変わりゆく家族の姿

留学を終えて帰国した日。空港に迎えに来てくれたのは父でした。

母の様子はずっと気がかりで、留学中に父から届いた手紙は2通ほど。単身赴任中だった父は、祖母に母の見守りを頼みつつ、自分も休みの日には家に戻って面倒を見ていたそうです。その苦労の大きさは一目で分かるほどで、たった1年弱の間に父の髪には白いものが増え、すっかり疲れ切った様子でした。

空港から家までの車の中、内心では父の変化を受け止めきれない気持ちもありました。でも久しぶりの日本食のリクエストをしたり、留学中の出来事を話したり。父の口から改めて母の様子を聞いたり。たった20分ほどの道のりでしたが、色々な思いが交錯していたのを覚えています。

1年前、母も元気な姿で両親に見送られて出発した私。まさか1年後にこんな状況になっているとは想像もしませんでした。

「人生って、本当に予想通りにはいかないものだな」

今振り返ると、あの日の帰国は単なる“留学から帰った日”ではなく、家族との向き合い方や人生の不確かさを実感した大切な節目だったのかもしれません。

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