異動先で始まった業務は、基本的にはこれまでと大きく変わらない内容だった。
それでも、田舎から都市部に移ったことで人の出入りも多く、業務の動きも慌ただしい。
私は福利厚生や給与関係を担当し、約40名のスタッフの勤怠管理・厚生関係を任されていた。
さらに当直勤務もあり、田舎時代のようにのんびりとはしていられなかった。
癖のある上司との出会い
新しい職場で最もインパクトが強かったのは、直属の上司の存在だった。
実は父も以前その上司と接点があり、「かなり扱いにくい人だ」と聞いていた。
それはどうやら私だけの感覚ではなく、周囲のほとんども同じように感じていたようだ。
あるとき、冬に長めの有給休暇をとってニューヨークへ行こうとした私に、上司はこう言った。
「そんなに長く休むなんて、新婚旅行くらいのときだろう」
あのときの嫌味は今でも鮮明に覚えている。
ただ、皮肉にもその出来事が「私は本当にここにいるべきなのか?」と自分に問い直すきっかけにもなった。
——ありがとう、当時の上司(笑)
週末の過ごし方と孤独感
平日は忙しく、バタバタする日常。
けれど職場の雰囲気が気になって、仕事に集中しきれない自分もいた。
週末といえば、特にやることもなく職場で残業をしたり、車で一週間分の買い出しに出かけたり。
連休があれば、結局は実家に帰る。
都会とはいえ、慣れない地方都市での勤務。
「便利さ」と「孤独さ」が入り混じる生活が、静かに続いていった。
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